「嘘はフィクサーのはじまり」意識高い系は「人脈」について考え直せるよ
先日、映画「嘘はフィクサーのはじまり」を見ました
原題は「 NORMAN」 主演はリチャード・ギア
アメリカとイスラエルの合作で舞台は世界金融の中心都市ニューヨークです
あらすじ
世界金融の中心都市ニューヨーク、そこで大きな力を持つユダヤ人上流社会に食い込むべく自称ユダヤ系フィクサーのノーマンは嘘に嘘を重ね人脈を広げていた。
そんなある日ノーマンにチャンスが。
とある国の高官が未収税の債権、つまり不良債権を格安で売却希望との裏情報を手に入れる。ターゲットは超大物投資家のウィルフとタウブ。
甥っ子の弁護士フィリップのつてを頼って接触を図るも門前払い。
そこでノーマンはたまたまニューヨークに訪れていたイスラエルのカリスマ政治家エシェルを利用しようと偶然を装って接触、高級ブランドの革靴をプレゼントし私用の電話番号をゲットする。
しかし有能なエシェルの部下の妨害でノーマンの企みは失敗に終わってしまう。。
それから3年後、エシェルは異例の大出世、イスラエルの大統領になった。
あの日以来音信不通だったがノーマンは一縷の望みを持ってエシェルの支援者パーティーに参加する。
そこで奇跡が起きる。
エシェルはノーマンの顔を見るやいなや感激した面持ちでノーマンを抱きしめたのである。世界の権力者が注目する中ノーマンのことを“ニューヨークのユダヤ人名誉大使”と紹介する。
今まで必死にコネを作ろうとしていた権力者が自らノーマンに名刺を手渡す。
ノーマンは成功を確信した。
そのときは。。。
意識高い系の大好物「人脈」について考え直させられる
この映画はとにかく人脈人脈人脈の人脈ずくしです。
意識高い系の人が大好きな言葉ですね、人脈。
そんな意識高い系の人には是非見て欲しい映画です。
ノーマンはとにかくコネを作ることに必死です。
今あるコネを使っていかにしてより上流のコネを作れるか、わらしべ長者みたい。
ノーマンは成功を求めて人脈を広げようとしているのかと思われますが傍から見ていると成功しているようには全く見えません。
いくら広げてもその上には上がおりゴールが全く見えない。
おそらく人脈を求められている側、つまり成功者は人脈を広げることで成功した訳ではないのでしょう。
人脈は大事だったかも知れませんがそれ以上に大事な事があり、そちらを手に入れたから成功したんだと思います、人脈だけじゃ成功出来ないと言うことをこの映画はいってました。
人脈大好き意識高い系のみんなも人脈以外の何かを探すべきです。たぶん(僕は別に成功していないので)
また、この映画では「人脈」自体に疑問を投げかけています。
エシェルはノーマンを友人だというが都合の良いときしか連絡はしない。
しかしノーマンはエシェルに対して友人としての感情を抱いている。非情になれない。
そこがノーマンの良さであり弱さでもあるのでしょう。その弱ささえなければノーマンももっと成功できたはずです。
エシェルは妻に「あなたはノーマンを友人と言うがそんな関係友人ではない」と言われます。
都合の良いとき、利用するときのみ関係性が生まれる、切り捨てるときはバッサリ。それが「人脈」だというメッセージがこの映画にはあります。
真意の見えないノーマンが面白い(若干ネタバレ)
先ほどノーマンは成功を求めていると言いましたがお金を求めているとは言いませんでした。
ノーマンはエシェルが大統領になってからたくさんの権力者から「フィクサー」としての仕事を頼まれます。
しかし劇中ノーマンがそこで大金を得ている様子は全く見えません。生活は貧乏なまま。
ノーマンにとっての成功とは「金持ちになること」ではないのでしょう。
そこにこの作品の奥深さというか味わいがあります。
ただノーマンが金持ちになるだけだったら見終わったときにあそこまでの余韻は生まれなかったでしょう。
ラストシーンでノーマンの考える「成功」が垣間見えました。その瞬間のモヤモヤを是非味わって欲しいです。
終わりに
この映画はリチャード・ギアらしくない作品となってます。
こう言ってはあれですがリチャード・ギアが全くかっこよくない。なんなら情けない。
しかし名優リチャード・ギアの深さを改めて知ることの出来る作品となっています。
この作品知名度は余り高くありません。
是非周りの人と一歩差をつけましょう。意識高めに。