【映画】「MIFUNE THE LAST SAMURAI」~三船敏郎という人と会えた~
こんにちは。ポンタップルです。
先日行ったオールナイト上映から二作目
「MIFUNE THE LAST SAMURAI」をご紹介
内容(今回は物語でないのであらすじではなく内容)
日本国内だけでなく世界の映画界に影響を与え愛された名優、三船敏郎のドキュメンタリー映画。息子の三船史郎や三船とともに一時代を築き上げた名監督・黒澤明の一門、黒澤組のスクリプターの野上照代ら家族や親交の深かったスタッフ、役所広司、司葉子、八千草薫ら三船敏郎をよく知る俳優たち、そして三船に魅了されたスティーブン・スピルバーグ、マーティン・スコセッシといった海外の名匠たちなど、国内外の映画関係者への膨大なインタビューと貴重な映像により、サムライ映画を世界に知らしめた三船の波乱万丈の人生や、その精神に迫っていく。監督はドキュメンタリー作品「ヒロシマナガサキ」で知られるスティーブン・オカザキ。
僕たち若者の知らない三船の影響力
当然ながら僕は生前の三船敏郎を知らない。
僕が生まれたのは1999年、三船敏郎が亡くなったのが1997年。しかし別に映画に詳しいわけでもない僕でも「三船敏郎」の名前は知っていた。
昔のすごい俳優
僕の認識はこんなものだった。おそらく僕と同年代の人もこんなものだろう。
そんな無知な人にこそこの映画を見てほしい。
この映画は三船の生い立ちから遡りその生涯をその時々の三船の周囲の人間の話から浮き彫りにしていくため前知識がなくてもついて行くことが出来る。かのニューヨークタイムズはこの作品を「三船作品の入門書」と評しているがまさしくその通りだと思う。
スティーブンスピルバーグのこの言葉にはの衝撃を受けた。
さすがに僕でもスターウォーズは知っているし全部見ている。そこには三船敏郎がいるかも知れなかったのだ。
三船の作品と言えば!?と聞かれても以前の僕は答えれなかったがもし三船がスターウォーズに出ていれば間違いなく「スターウォーズ」と答えていただろう。
一貫して語られる三船の器の大きさ
「三船さんは我慢の人だった」
そう語っていたのは「七人の侍」「赤ひげ」など9本もの黒澤映画に参加、三船と公私で親交の深かった俳優・土屋義男。
この人も俳優として重鎮中の重鎮、そんな人が自分を卑下し三船さんには敵わないと言う。
しかも同じようなことを皆が皆、大物達が口をそろえて言うのである。かのスピルバーグまでもが。
これまでの僕の中でのランク付けが完全に覆った瞬間だった。
どんな状況、どんな要求であれど泣き言一つ漏らさず黙々と熟す。
その三船の姿を見てきた人達だからこそ大物になれたのかも知れない。
黒澤監督の話も聞きたかった
この作品唯一の心残りは三船と長いことタッグを組んだ黒澤監督の話を聞けなかったこと。
黒澤監督も1998年、僕の生前に亡くなっている。
「完璧主義の黒澤監督も三船さんにだけは指示を出さなかった」
その言葉に二人の関係性が見える気がする。
そんな二人だからこそお互いにしか分からない事があっただろう、是非聞いてみたかった。
ラスト
この作品を通して大物、三船敏郎の生き様を超早送りではあったが追いかけることが出来た。
見たのが深夜3時だったこともあるかも知れないが僕の目にはその時々で躍動する三船敏郎が見え、耳にはその息づかいが聞こえた。
あのとき僕は確かに三船敏郎に会っていた。皆さんにも是非会ってほしい。